2026.9.24
無痛分娩と和痛分娩、鎮痛分娩、減痛分娩⁈

陣痛の痛みをどのように乗り越えるのか、ということは長い年月に渡りヒトが抱え続けている課題の一つです。

欧米では、20世紀初頭より薬剤を用いた鎮痛が行われていましたが、日本では最近になり急速に話題に挙がるようになっています。
様々な鎮痛方法がある中で、日本語の定義はあいまいなままで、分かりにくいですね⁉︎

「無痛分娩」がなくなる⁉︎
無痛分娩とは、主に硬膜外麻酔分娩のことを指します。背中から硬膜外腔にカテーテルを挿入して麻酔薬を少量ずつ注入することにより腰から下の感覚を麻痺させることで高い鎮痛効果を得ます。陣痛開始から3〜5cmほど子宮口が開大した後に開始することが多く、子宮口開大までに痛みがあったり、完全に痛みがなくなると娩出力がなくなってしまうため、ある程度の痛みを残す必要があります。そのため実際には無痛ではないと感じられることがあり「無痛分娩」という言葉は適さないとされ、日本麻酔科学会や産婦人科医会では「硬膜外鎮痛分娩」と言われるようになりました。日本産科婦人科医会では、2024年の統計からこの言葉が使用されています。
長時間に渡る薬剤の使用による母体への副作用や新生児の予後に影響することが報告されています。

様々な和痛分娩
当院で行われているソフロロジー式を「和痛分娩」や「減痛分娩」と表現されることがあります。これは、妊娠中からおなかの赤ちゃんと過ごす妊娠・分娩時期を大切にイメージしながら自身をコントロールして過ごすことで、呼吸とともに分娩を落ち着いて過ごす方法です。陣痛の始めから効果があり、オキシトシン-エンドルフィン効果によって自然に大きな鎮痛作用と高揚感・幸福感を得られると同時に、母児の絆が深まります。

陰部神経ブロック
和痛分娩の1つとされ、当院で可能な方法です。分娩時に最も疼痛が大きいのが子宮口全開大から赤ちゃんが娩出される時とされ、赤ちゃんが出てくる部位と会陰部の疼痛を腟から挿入する局所麻酔により除く方法です。
ソフロロジー式分娩では、この時期に最もエンドルフィン効果が発揮されますのから、陰部神経ブロックは不要なことがほとんどです。
膣壁や会陰部の傷が大きく、疼痛が強い時に使用することもあります。

傍頸管ブロック
和痛分娩の1つとされ、当院で可能です。子宮口が4〜5cmに開大した時に腟から挿入する局所麻酔の方法です。筋肉が弛緩して分娩の進行にも有効ですが、分娩の進行が順調なら必要ないと考えます。効果には個人差があります。